20人未満企業の生成AI導入は何から?
最初の一業務を選ぶ4つの条件

20人未満企業が生成AIを始める場合、最初から全社員へ導入する必要はありません。

まずは、次の4つの条件に当てはまる仕事を一つ選び、小さく試します。

  1. 繰り返し発生している
  2. 機密情報や個人情報を使わずに試せる
  3. 生成AIの出力を人が確認できる
  4. 失敗しても顧客や業務への影響が小さい

この条件を満たす一業務から始めれば、専任のAI担当者がいない会社でも、自社に役立つかを無理なく確かめられます。

本記事では、経営者・管理職・総務担当者などが通常業務と兼任しながら、生成AI活用を検討している20人未満企業を想定しています。

この記事で分かること

  • 最初から全社導入しなくてよい理由
  • 最初に試す業務を選ぶ4つの条件
  • 小さく試しやすい業務例
  • 試した結果を判断する方法
  • 会社で使う前に確認したい基本

20人未満企業は、一人・一業務から試す

生成AIを仕事で使う目的は、AIのための作業を増やすことではありません。今ある仕事の負担を減らせるかを、小さく確かめることです。

そのため、最初から次のような準備をすべて終える必要はありません。

  • 全社員への展開
  • 複数業務での利用
  • 大規模な研修
  • 複雑な運用体制
  • 高額なシステムの導入

まずは一人が、一つの業務で試します。

生成AIを使う前後で、次を確認すれば、自社に役立ちそうかを判断できます。

  • 作業にかかった時間
  • 人が修正した量
  • 内容の正確さ
  • 続けやすさ

効果の大きさは業務内容や使い方によって異なります。事前に時間削減を決めつけるのではなく、実際に測ることが大切です。

最初の業務を選ぶ4つの条件

1.繰り返し発生している

最初に試すなら、毎日、毎週、毎月のように繰り返している仕事が向いています。一度しか行わない仕事では、試した結果を比較しにくいからです。

例えば、次のような仕事です。

  • 定型的なメールの下書き
  • 社内向け案内文のたたき台
  • 公開情報の要点整理

同じような作業を繰り返している仕事なら、生成AIを使う前後の違いを確認しやすくなります。

2.機密情報や個人情報を使わずに試せる

最初は、公開情報、架空の情報、外部サービスへ入力しても問題のない情報で試します。

次のような情報を、確認せずに入力してはいけません。

  • 顧客名や連絡先
  • 従業員の個人情報
  • 契約内容
  • 未公開の売上情報
  • 社外秘の資料
  • ID、パスワード、認証情報
個人情報保護委員会は、個人データを生成AIサービスへ入力する場合、利用目的の範囲内であるか、サービス提供者が入力データをどのように扱うかなどを確認するよう注意を促しています。

3.生成AIの出力を人が確認できる

最初は、生成された内容を人が確認し、必要に応じて直せる仕事を選びます。

例えば、文章の下書きであれば、次を送信前に確認できます。

  • 事実に誤りがないか
  • 相手に失礼な表現がないか
  • 自社の意図と合っているか
  • 不要な内容が含まれていないか

反対に、生成AIの出力を確認せず、自動的に顧客へ送信したり、重要な判断に使用したりする仕事は、最初の試行には向きません。

AI事業者ガイドライン第1.2版でも、AI利用者を含む関係者が、リスクに応じた適切な対応や人間による判断を行うことの重要性が示されています。

4.失敗しても影響が小さい

最初は、試した結果が思うようにならなくても、元の方法へ戻せる業務を選びます。

次のような業務は、最初から任せない方が安全です。

  • 契約や法的判断に直接関わる仕事
  • 顧客への重要な回答
  • 採用・評価・人事判断
  • 金額や支払いに関する最終判断
  • 間違いが事故や重大な損失につながる仕事

まずは下書き、整理、案出しなど、人が確認して戻せる範囲から始めます。

最初に向いている仕事と、後回しにする仕事

確認項目最初に向いている後回しにする
使用する情報公開情報・架空情報個人情報・機密情報
出力の使い方人が確認する下書き自動送信・自動判断
失敗時の影響修正して元に戻せる顧客・契約へ直接影響する
利用範囲まず一人・一業務最初から全社員・全業務
効果の確認時間と修正量を測れる成果を判断する基準がない

この表の左側(最初に向いている)に当てはまる仕事から、一つ選びます。

最初に試しやすい業務例

メールの下書き

挨拶文や社内連絡など、機密情報を含まないメールの下書きを作る用途です。

最初は実際の顧客名、メールアドレス、契約内容などを入力せず、架空の内容や公開してよい情報で試してください。

生成された文章は、そのまま送信せず、人が内容を確認します。

公開情報の要点整理

官公庁やサービス提供者が公開している資料などから、要点を整理する用途です。

要約だけで判断せず、重要な内容は必ず原文を確認します。

社内資料を使う場合は、外部サービスへ入力してよい内容かを事前に確認してください。

架空データを使った文書整理

架空の商品名、架空の会議内容、個人を特定できない情報を使って、案内文や議事メモの形式を試します。

実際の業務情報を入力する前に、生成AIがどのような回答を返すかを確認する練習として利用できます。

詳しい業務候補の比較は、後続記事で解説する予定です。

小さく試す5つの手順

  1. 候補となる業務を一つ選ぶ
    4つの条件に当てはまる業務を一つ選びます。最初から複数業務を試すと、どの使い方が役立ったのか分かりにくくなります。
  2. 架空情報や公開情報で試す
    実際の顧客情報や社内情報を使う前に、外部へ出しても問題のない内容で動作を確認します。
  3. 出力を人が確認する
    正確さ、表現、抜け漏れを確認し、必要な修正を記録します。
  4. 時間と修正量を記録する
    生成AIを使わなかった場合と比べて、作業時間、修正にかかった時間、追加で確認した内容を記録します。生成にかかる時間だけでなく、確認と修正を含めて評価します。
  5. 続けるか判断する
    合計の作業負担が減ったか、出力品質は業務で使える範囲か、人による確認を無理なく続けられるか、同じ業務で再現できそうか、新しいリスクや手間が増えていないかを確認します。

役立たなかった場合は、無理に続ける必要はありません。別の業務を選ぶか、従来の方法へ戻します。

会社で使う前に確認したいこと

利用サービスの規約と設定

入力内容がサービス改善や学習へ使われるか、保存期間、法人向け設定の有無などは、サービスによって異なります。

利用する生成AIサービスの公式利用規約、プライバシーポリシー、管理設定を確認してください。

入力してはいけない情報

個人情報、機密情報、契約上外部提供できない情報など、自社で入力を禁止する情報を整理します。

人による最終確認

生成AIの出力を誰が確認するかを決めます。重要な内容ほど、元の資料や一次情報まで確認します。

困ったときの相談先

判断に迷った場合に、経営者、管理職、総務担当者など、誰へ確認するかを決めておきます。

最初から複雑なルールが必要とは限りません。ただし、必要な内容は、業種、扱う情報、契約、法令によって異なります。

総務省・経済産業省のAI事業者ガイドライン第1.2版は、AIを安全安心に活用し、便益を高めるための基本的な考え方を示しています。自社の状況に応じて、公式資料や専門家の確認も利用してください。

まとめ

20人未満企業が生成AIを始める場合、最初から全社導入する必要はありません。

次の4条件に当てはまる一業務から試します。

  1. 繰り返し発生している
  2. 機密情報や個人情報を使わずに試せる
  3. 生成AIの出力を人が確認できる
  4. 失敗しても影響が小さい

そのうえで、架空情報や公開情報を使って試し、作業時間と修正量を記録します。

生成AIを使うこと自体を目的にせず、今ある仕事の負担を減らせるかを確認することが大切です。

自社で始めるための順番をまとめて整理したい方へ

この記事では、最初の一業務を選ぶ考え方を解説しました。

実際に自社で始めるには、複数の候補を比較し、試す順番、入力前の確認、最初の社内共有まで整理する必要があります。

現在、これらを一冊にまとめた、

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電話・訪問による営業は行いません。アンケートやオンラインインタビューへの協力は任意です。

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よくあるご質問

Q.生成AIを使ったことがなくても始められますか?

はい。最初は架空情報や公開情報を使い、生成AIがどのような回答を返すかを試します。重要な業務や実際の顧客情報を使う前に、基本操作と確認方法を理解してください。

Q.IT担当者がいなくても試せますか?

本記事では、専任のIT・AI担当者を置かず、経営者・管理職・総務担当者などが通常業務と兼任する会社を想定しています。まず一人・一業務に限定し、結果を人が確認できる範囲で試します。

Q.最初から利用ルールを作る必要がありますか?

最初から複雑なルールが必要とは限りません。まずは、入力してはいけない情報、人による最終確認、困ったときの相談先などの基本を整理します。ただし、必要な内容は、業種、扱う情報、契約、法令によって異なります。利用開始前に、自社に必要な条件を確認してください。

参考資料

  • 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」
  • 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン 第1.2版」
  • 利用する生成AIサービスの公式利用規約・プライバシーポリシー・管理設定

参照日:2026年8月1日

記事情報

公開日
2026年8月2日
更新日
2026年8月2日
Article ID
AI-P1-001
執筆・編集
生成AIパスポート運営事務局
事実確認
生成AIパスポート運営事務局
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執筆・編集方針

本記事は、公的機関およびサービス提供者の公式情報を確認し、20人未満企業が最初の一業務を選ぶための実務的な判断基準として編集しています。

生成AIを記事制作の補助に使用した場合も、公開前に人が内容、出典、表現を確認します。

訂正・更新方針

制度、ガイドライン、生成AIサービスの利用条件などの変更を確認し、必要に応じて記事を更新します。

誤りや修正が必要な箇所がありましたら、お問い合わせフォームからお知らせください。